先日ご来店くださったお客様から、
▶︎「ジェルオフについてマニアックに語った過去の記事」を読んでくださっていたというお声をいただき、
とても嬉しかったと同時に、
あんなマニアックな記事でもちゃんと読んでくださる方はいるのだなと知り
改めて、記事の続きを書こうと思いました^^;
そもそも、わたしが行きたいネイルサロンを探す!という超個人的内容の記事だったのですが、
なんだかんだ忙しくちゃんと探せていません。
なので私好みのネイルサロンはまだ見つかっていないのですが、
そのサロン探しの過程で、お客様との会話でよく出る話。
「なんでネイルサロンってこんなに値段ちがうの?」
(なんであんなに安い、もしくは高い店があるの?)
っていう、お話。
これについてちょっと私見を書きたいと思います。
(!!ご注意!! 以下、長くなりますので、お暇なときに読んでくださいね。)
ネイルサロンの価格の謎
たしかに、現状のネイルサロン業界を見ると
「激安!アート盛り放題で定額〇〇円!」
とかで恐ろしく低価格のお店があるかと思えば、
派手に広告しているわけでもないのに、
ひっそりお客様単価「3万円です^^(にっこり)」ってお店もあります。
これって、さらっと10倍近く価格の差があるってことです。
びっくりですよね。
わたし自身は激安サロンには行ったことないんですが、
高価格なお店の方には、勉強も含めていろいろ行った経験があります。
その上で、同業のネイリストさんから話を聞いたり、他店に勤めた(激安店も)経験のあるネイリストさんたちの話を総合してみると、
なぜ高くなるのか、安くなるのかの一定の基準はあります。
(なかには「なぜだ。。」と思うような基準を無視した価格をつけたお店も存在しますが、だいたい数年でつぶれてしまっていたりするので、ちょっとそこはおいといて。)
例え話ですが、
価格の安いお店と高いお店が、ふたつ並んでいたとします。
一般的に、価格の違いがあるふたつのお店をみて
「なんでこのお店こんなに安いのよ!?」っていう疑問より、
「なんでこのお店はこんなに高いのよ!?」って思う方が多いのではないでしょうか。
そうですよね。
一見してすぐに違いがわかるお店でない場合は、お客様がそう思うのも当然です。
価格の違いが出る理由についてすこし考えてみても、
「ネイルの材料がいいものを使っているのかな?
そもそもネイルの材料ってそんなに値段の差があるのかなー」とか、
そのくらいしか思い浮かばないですよね。
ネイルサロンに行ったことのある方でもわかりにくい部分です。
サロンに行った経験のない方であれば、なおさら疑問に思うところ。
そんな時はちょっと視点を変えて考えてみるとわかりやすいです。
通いたくなるネイルサロンの条件は
自分が行きたいなと思うお店を探しているとき、
(最近だとネットなどを使って比較することが多いと思いますが、)
どういう条件で探しますか?
希望のお店の条件をあげるなら、たとえば
「通いやすいところがいいから、駅近か自宅の近くの便利なところがいいなー」
「ネイルサンプルのデザインがたくさんあってセンスが良いところ!いろいろ選びたい!」
「担当のネイリストは、経験が長くて信頼出来るトップネイリストがいい。不慣れな新人はイヤなの。」
「予約はとりやすいのが絶対よね。わたし忙しいし、当日でも予約取れるとこじゃないと。」
「施術時間もなるべく早く仕上げてほしい。長時間待つのはムリ。」
「なんか狭苦しいお店はちょっと。。お客様同士がきつきつに並べられる狭いお店じゃなくて、ゆったりした空間で雰囲気も素敵なお店がいいな。」
「ジェルネイルはもちろん、持ちが良くて可愛くて爪を傷めないところ」
「いろんなデザインの中からゆっくり悩みつつ選びたい。もちろんネイリストさんにも納得するまで相談に乗ってもらって「これだ!」と思える仕上がりにしたい」
「当然だけど、仕上がりは細部まで美しくないとね。カラーの隙間や塗り残しはもってのほか。どの角度から見ても一部の隙もない仕上がりでないと。」
「長ーい人工爪もたくさんアートもいっぱいしたい!」
「もちろん甘皮のお手入れも丁寧にやってもらいたい」
「選べる色がたくさんあるところがいい。なければ色を混ぜて私好みのオリジナルに作って欲しいし。」
「ネイリストさんはあんまり若くて雑な感じのひとはちょっと。。接客も丁寧で慣れている落ち着いた雰囲気の人がいい」
ふぅ。
こんな感じですよね。
どれもすごくよくわかる。
てか、一部を除いてほとんどわたし自身の希望かなって感じもします^^;
(もちろん「わたしはそれはちょっとちがうな。もっとこういうのがいい」って方もいらっしゃるでしょうが、一例ですのでそこは流しつつ聞いてください。)
こんなお客様の希望も良くわかるし、
ネイリストとしてはどの希望も叶えたい。
でも、ネイルサロンの価格の違いを語るなら、言わなければならないのは、
これらの条件は、すべてコストがかかるってことなんです。
ネイルサロンに行ったことがある方なら、
少なからずこんな経験があるはず。
「仕上がりは満足。あー、でももうちょっとお店の雰囲気がよかったらなー」
とか、
「お店の雰囲気はいいんだけど、もうちょっと予約が取りやすかったらなー」
「もうちょっと早く仕上げてくれればなー」
など。
「あとちょっとこうだったらいいのに!」って思った経験。
それを叶えるお店があればいいですよね。
そうそう、
それを叶えるのがちょっと高いほうのお店。
それが価格の理由。
価格が高くなる理由・安くなる理由
ネイルサロンの価格は、
「コストがどのくらいかかっているか」
ということが一番大きく影響しています。
さっきあげた希望のネイルサロンの条件。
あれらを叶えるにはコストがかかる=価格が高いお店になる。
ってことなんです。
もちろんその逆もしかり。
希望の条件をどんどん少なくしていけば、
価格の低いお店になります。
(※一部の例外はありますが、あえてそこはおいといて一般的な価格設定のお話です。)
いやしかし、
さっきの希望の条件のどこにそんなコストかかってるのよ?
ネイルサロンならどれもふつうのことでしょ?
と思う方もいらっしゃるでしょうから、説明します。
たしかに、どれも1つ1つは普通のことかもしれない。
でも多くの条件を揃えるサロンほど高コストになるのは確かです。
「通いやすいところがいいから、駅近か自宅の近くの便利なところがいいなー」
➡︎駅近・便利な土地は地代家賃が高いです。これがコスト高になります。場所代というやつですね。
「ネイルサンプルのデザインがたくさんあってセンスが良いところ!いろいろ選びたい!」
➡︎たくさんのネイルサンプルを用意するには、材料費以上に膨大な時間がかかります。ネイリストの時間給ぶんのコスト(人件費)です。
「担当のネイリストは、経験が長くて信頼出来るトップネイリストがいい。不慣れな新人はイヤなの。」
➡︎同じサービスでも、未熟な者と熟練者では当然ながら技術の差が出ますよね。これが技術料というものです。これが一番高いコスト。(理由は後述します。)
「予約はとりやすいのが絶対よね。わたし忙しいし、当日でも予約取れるとこじゃないと。」
➡︎お客様の急なご予約にも対応するためには、それだけ多くのお席の確保と人材の確保が必要です。場所代と人件費。
「施術時間もなるべく早く仕上げてほしい。長時間待つのはムリ。」
➡︎早く仕上げるだけならあまりコスト高にはなりませんが、「早く美しく」ご提供するには技術が必要です。技術料。
「なんか狭苦しいお店はちょっと。。お客様同士がきつきつに並べられる狭いお店じゃなくて、ゆったりした空間で雰囲気も素敵なお店がいいな。」
➡︎スペースの確保ということで場所代。素敵な雰囲気を演出するには内装・外装費用。
「ジェルネイルはもちろん、持ちが良くて可愛くて爪を傷めないところ」
➡︎持ちが良いジェルには良い素材の材料と技術が必要です。可愛いと思えるデザインにはセンスの合うネイリストが必要で、爪を傷めないジェルネイルには技術を要します。(材料費と人件費と技術料)
「いろんなデザインの中からゆっくり悩みつつ選びたい。もちろんネイリストさんにも納得するまで相談に乗ってもらって「これだ!」と思える仕上がりにしたい」
➡︎お客様おひとりの施術時間をゆったり多めに確保します。占有する場所の費用と対応するネイリストの人件費。
「当然だけど、仕上がりは細部まで美しくないとね。カラーの隙間や塗り残しはもってのほか。どの角度から見ても一部の隙もない仕上がりでないと。」
「長ーい人工爪もたくさんアートもいっぱいしたい!」
「もちろん甘皮のお手入れも丁寧にやってもらわないと」
➡︎技術料。
「選べる色がたくさんあるところがいい。なければ色を混ぜて私好みのオリジナルに作って欲しいし。」
➡︎たくさんの色を揃えるための材料費。混ぜて作るオリジナルカラーはジェルを多く使用するので、材料費。
「ネイリストさんはあんまり若くて雑な感じのひとはちょっと。。接客も丁寧で慣れている落ち着いた雰囲気の人がいい」
➡︎接客経験の長いネイリストは人件費。
なんだか書いていてあまりに現実的でちょっとイヤになってきました。。(ーー;
お金お金と言われると、あんまり気分良くないですよね、すみません。
お客様が読んでくださる記事にこんなことあまり書きたくないのですが、
これがネイルサロンの現実です。
たしかにネイルサロンだったらどれも当たり前のことばかり。
ただ、全てのお客様のご希望を満たすお店作りというのは不可能なので、
それぞれのお店独自のコンセプトで、お客様に喜んでいただけるように
サロンなりに工夫しながら魅力あるお店づくりをしています。
技術を磨き、デザインを増やし、居心地のいい空間作り。
そしてその結果の価格設定があります。
場所代・材料費・人件費・技術料・初期投資費用、他。
そのバランスで、ネイルサロンの価格設定はなりたっています。
すべてに投資しているサロンは高価格のお店となり、
投資コストの少ないサロンは安価に設定されます。
もちろん例外はありますが、あえて誤解を恐れずに言うならば、
たとえば、
駅近のすごく便利な場所(場所代・高)に、リーズナブルな価格設定のネイルサロンをオープンしたとすると
その他の面の投資(材料費・人件費・技術・内外装費)がしにくくなるということです。
それでも技術や良い材料を使用すると、お客様おひとりの施術時間を短めに設定する(回転率を上げる)、
といった感じです。
そういった意味で、すべての条件を叶えるサロンで低価格、というのは無いのです。
ネイルサロンの価格の謎に迫って書いてみて、
まとめようと思ったら、
「高いには高いなりの、安いには安いなりの理由がありますよ」っていう
恐ろしいほど当たり前の答えに行き着いてしまいました^^;
ただ、
この記事を読んでくださった皆様には、
「自分だったらこんなネイルサロンがいいなー」という条件を満たすサロン探しにおいて、
その価格の理由がこんなところにあるんだっていう、参考にしていただければ嬉しいです。
なんであのお店は高いんだろう。
なぜこのお店はこんなに安いんだろう。
すごく当たり前のお客様の疑問に、
わかりやすくこたえられるサロンが増えるといいなと思いますね。
行ってみたらがっかりーー!
っていう期待はずれのないお店選びがしたいですね。
(※このコストの中でも、
「技術料」ってやつが一番あいまいでわかりにくいものですよね。
ネイリストなどの技術職と呼ばれる職業では、同じ「ネイリスト」でもこの技術の差が激しいため、
この記事ではあえて、人件費と技術料を分けて記載しています。
これについては、この記事もだいぶ長くなってしまったので
また別にしたいと思います。)
わたしも時間が取れるときに新しいネイルサロン探しを続けようと思いますが、
わたしは思いっきりわがままなお客なので
どうしても高価格帯のサロンになりますね。
でもそれでも満足のいく仕上がりにしてくれるサロンがあれば喜んで通いたい!
その辺もご報告しようと思いますので、
気長に記事の続きをお待ちいただければ嬉しいです^^